2021.3.27（土）　　小蓮華山直登ルンゼ（雪崩滑落）

今回は雪崩に会ってしまいました。4日経って冷静になったので遭難を分析してみました。

ゴンドラ乗り場の列7：48	ロープウェイ駅から出発9：03

ロープウェイ駅を降りると天狗原へ向かう人と栂池自然園へ向かう人に分かれて自然園へは50人ほどが向かったようです。

栂池自然公園を行く9：12	9：34

雪が10ｃｍ弱積もっていました。天気が良く雪が締まり始めています。

10：03	10：54

順調に高度を上げるに従い気温も上昇して汗ばんでアウターシェルを脱ぎます。

白い頭が小蓮華山10：54	船越の頭に向かってハイクアップ10：54

クトーを装着しないでシールだけで船越の頭に着きました。

小蓮華山を見る11：33	船越の頭11：35

振り返ると船越の頭に向かって登る人が多く見えます。あの角度でもシールだけで登れるということです。

稜線からテラスを見下ろす11：38	振り返ると船越の頭にもはたくさんの人たち11：38

船越の頭直前のテラスにたくさんの人たちが休んでいるのが見えます。

小蓮華山方面11：38	小蓮華沢を見下ろす12：46

途中スキーを担いで斜面を降りるところがあります。小蓮華沢も良さそうな斜面に見えます。

小蓮華山山頂12：46	12：46

小蓮華山山頂に近づく途中途中で各々思い思いのところからドロップする人たちがいます。

山頂の剣12：54	雪崩停止位置から逆Y字13：04

山頂に到着後、準備して滑走開始して間もなく雪崩に巻き込まれました。

以下雪崩滑落状況を報告
・初めに3、4ターンして直ぐに自己誘発型表層雪崩が発生した。表層の厚さは5ｃｍ程度。
・横に逃げて一旦停止して雪崩をやり過ごし一安心した。
・再スタートの動作に移った時、旧雪の固い急斜面でエッジが抜けバランスを崩して転倒した。
・転倒後スキーで制動を試みましたが直ぐにスキーが外れてしまいストックも離れて制動する術が無くなった。
・ほとんどは尻セードの姿勢で雪崩といっしょに滑落した。2回ほど回転して逆さになることがあった。
・ザックを背負ったままだったので上体側にブレーキ要素があって滑落姿勢が保たれていた。
・雪崩の規模は小さかったので埋もれることは無かった。
・滑落中の左岸に人がふたり見えた。他の人を巻き込んでいなかったようだ。
・斜度が緩んだところで減速して止まりそうになるがまた再び加速した。
・逆Y字地点が近づいて徐々にスピードが緩みやっと停止した。
・スキーとストックもいっしょに流されてきているはずだが、埋もれて発見できなかった。
・先ほどのふたりは大町登山案内組合所属の人でストックを1本回収してくれた。
・怪我の具合やアイゼン、ヘッデン、食料、水など下山に必要な物をいろいろ案じてくれた。
・お礼を言って分かれたが心配のショートメールをもらった。
・今回無事だったのは表層雪崩の表層部分の積雪量が多くなかったからだと思う。
・翌日になってから左手の腫れ、脇腹の痛み、お尻の青あざが現れたので病院検査を受けて、骨に異常は無く安心できた。
・深雪のときはスキーにリーシュを付けるが今回は付けなかった。付けたほうが良かったと思う。

ちなみに雪崩ネットワークの3/27　5時情報はアルパイン/低い、森林限界/低い、森林帯/低いとなっていましたが、行動の助言は
昇温と日射の影響の強い急斜面で生じる湿雪の表層雪崩に注意してくださいとなっていた。まさに今回の雪崩そのものでした。

上部を振り返る13：27	左ルート14：11

滑落はGPSデータから垂直高さ440ｍ、水平長さ650ｍ、滑落距離785ｍ、滑落時間3分10秒、斜度34.1°、最大速度30.5ｋｍ/ｈでした。
スキーで普通の斜度34°の斜面では簡単に停止できますが、旧雪が固く雪崩に背中を押されると簡単に停止できません。

逆Y字スキーヤーズ左ルートを振り返る14：11	左ルート出口14：26

下山の斜面はデブリの真っ只中にあって旧雪上の積雪が除去されると固い斜面が現れるので、後ろ向きに四つん這いになってアイゼンで
ステップを切って降りる。またストックを刺すと60ｃｍもすっぽりと埋まるところもあって難儀した。

左となりの沢は小蓮華沢で多くのシュプールがありいいました14：26	見下ろす14：26

ノドを抜けて平坦地に出たことで一安心でした。
雪崩滑落報告はここまで。

左の沢が滑落した小蓮華山直登ルンゼ、右は広い小蓮華沢14：31	白馬沢右俣14：45

小蓮華山山頂からのルートは山頂に向かって左の小蓮華山直登ルンゼと右の小蓮華沢の右2ルートに分かれます。
滑落した沢に向かってさらに左手には白馬の由来になった黒馬形が見えるのが白馬沢右俣です。

中央の白い沢が滑落した小蓮華直登ルンゼ15：03	大雪渓から小蓮華直登ルンゼと小蓮華沢15：22

大雪渓に合流後はツボ足下山なので一歩一歩が沈んで厳しかった。それでもストックが一本あると随分違います。

林道16：54	二股到着17：58

林道の九十九折りは尻セードでショートカッして明るいうちに二股にたどり着くことができました。タクシーで栂池ゴンドラ駐車場には18：35到着でした。
今回の雪崩遭遇に他の人を巻き込まなかったのは幸いでした。また、大変反省点の多い山行でした。

GPSトラックでは登り返していますが誤差です。

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